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2021年度専門学校桑沢デザイン研究所卒業制作展出品作品

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オンライン会議アプリであるGoogle meetをグラフィック、動画、音を作成するためのツールとして考え映像、文字を制作した。オンライン会議は参加者を映す映像がグリッド状に並んでいることが一般的である。そのグリッドををビットマップデータのように一枚の絵を作るための小さなマスとして捉え作品にした。そしてオンライン会議ではハウリングなどの音声トラブルが頻発する。それらをサンプリングし動画内の音として使用している。現在、今後の世界の重要なライフラインになるオンライン会議アプリというメディアに対して今一度、冷静に向き合うために行った。

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カメラが登場したのちに様々な芸術家がそのカメラというメディアの向き合い方を模索していた。モホリ=ナジは単なる記録メディアではなく美しいグラフィックを作り出すためのものとして撮影をした他、写真が光の現象の定着というところに着目をし印画紙の上に直接モノをおき感光するフォトグラムなどを行っていた。エドワード・マイブリッジはカメラをたくさん並べシャッターを押すタイミングを微妙にずらし撮影をした連続写真を作成した。これはのちの映画や動画作品につながる。

以上のように新たな技術が生まれたらそれを正当な用途のみに扱うのではなく何か別の利用方法を思案する人が生まれる。

そして今年はZOOMやGoogle meetのようなオンライン会議アプリが全世界で使われることになった。そしてテレビや映画、ネット動画等でこれら会議アプリを利用したコンテンツが多数生み出された。しかしそれらはどれもたくさんのグリッドや長方形の枠内に人の顔が並ぶという画であり、使用方法も会議ツールという枠からはみ出た使い方は見られなかった。

今回はそこからはみ出そうと思った。人の顔が並ぶといった部分やコミュニケーションツールといった前提条件を取り払い空や草、光などを映しダイレクトな対人コミュニケーションツールというところも崩して扱った。

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オンライン会議をしているときはコンピューターの画面には複数の世界を映し出している。場合によっては地球の裏側ほど遠方の世界をネットに繋げそれを同時に(厳密には考えると同時ではない)同じ画面内にグリッド状に映し出しているのである。それも何十箇所も同時に映し出す時もある。ただ別の世界を繋げるのではない。視覚的に見えるように映し出すのである。その一つ一つの世界を映し出すグリッドを世界ではなく世界を作る要素の一つとして用いることにした。世界を映し出しているものを用いて画面内で世界を作ろうと考えた。

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「mirror」

鏡の世界は私たちを写し出すものではなく別の世界が広がっているのだと思っている。そして私たちはその鏡の世界を自由に作り出し、破壊し、変形させることができる。パソコンを閉じれば黒い画面が鏡になり、水溜りを作れば水面が鏡になる。また鏡を粉々に破壊する事もできる。これはまるで神のようではないだろうか。そこで私が神となり世界を作っていこうと考え、旧約聖書の創世記の神が7日で世界を創造した話にのっとり画面内に世界を作った。

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Google met上で文字も制作した。LEDライトをカメラに近づけカメラのON/OFFを利用し描き出すことができる。meetで描きだせるということもあり同じアルファベットでも数種類作り出すことができる。

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